半直接照明について
PH5やAJロイヤルなど名だたる名作照明がラインナップを飾るこのタイプ。光源を中心に上下にあかりを放ちます。
英語で言うと「semi-direct(セミ・ダイレクト)」とか「direct-indirect(ダイレクト・インダイレクト)」。indirect(インダイレクト)というのは”間接”という意味で、光をあえて壁や天井に当てて反射させ、柔らかい光にかえる照明の手法。半直接照明の場合、上側の光が天井に反射するためこのように呼ばれております。つまり直接・間接両方の特性をもつ、ハイブリッドな照明器具と呼べるでしょう。
名作が多いということは照明デザイナーが好んで選んだスタイル。照明器具のあり方を考えた時に、このアプローチが最良と判断した結果とも言えます。さらに陰影を使って造形の美しさも追求できるため、まさに照明器具デザインの頂点と呼べるのがこのタイプ。
上下はもちろん、形状によっては器具の周囲にも光を放つため光量もとりやすく、そのまま吊るしても自然と照明演出が出来上がるところが特徴。なかには天井側に映し出されるシルエットもデザイン要素の一つとして遊び心が加えられたものもあります。
ただ、電球を一つしか使わないものだと、日本人に関して言えばやや光量に不満を感じる方も多く、場合によっては追加で光源が必要になることもあります。しかし、明暗のコントラストが強くなりすぎる直接型とは違い、半直接型の器具は二方向以上に放たれた光が干渉し合うので、製品によっては使用電球自体をより明るいものに変えて対応することも出来ます。例えば、PH5は標準では60Wか100Wで案内されることが多いのですが、最大150Wの電球まで使用可能と公式で明言されています。このことから、その懸念を理解した上でそのあかりの様相が損なわれる事がないと判断していると受け取れます。
このように、最も注意すべき点は光量の問題。その明るさで満足できればそれ一つで、足りないということであれば直接型と同じ方法で明かりを足してあげるとよいでしょう。それさえ気を付ければ、快適性と美しさを兼ね備えた空間作りができる大変魅力的な器具。是非一度、チャレンジしてみましょう。
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