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いちから生地を作る

ここに届くひかり
そこにとどまるあかり
生地から溢れる
木漏れ灯のやさしさ
守るための隔たりのようで
通い合う小径のようなあや

布の魅力

ひかりについて「透過」という表現をよく耳にされると思いますが、綿などの生地には透過性がないため厳密には「通過」と言います。
経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の隙間をくぐり、反射し、輝きながら外に出るひかり。閉じ込めたものが溢れてくるような、染み出してくるようなそれは、きらきらというよりもさらさらと形容するほうが近いように感じます。これが布ならではの美しさ。

どちらかというと工業製品とされる照明器具ですが、じつは手仕事的な斑(むら)や和(にき)を感じさせるものの方が、あかりのもつ優しさを感じてもらえるのではないかと以前から考えていました。糸の柔らかさ、生地の強さ、そして軽さ。そんな布の安心感をわたしたちは昔から知っています。
図面のように数値で管理するのではなく、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)のもつ可能性の中から”これは”と選んでみる。糸とひかりで織り上げたのか、生地をひかりで縫い合わせたのか。そういうものを作りたくて”これは”を掬い上げられる人を訪ねました。

はくの製品の中には、そんな職人が織った生地のあかりがございます。あまり多くはご用意出来ませんが、その時その瞬間にお好みのものがあれば幸いです。

織物の設計と織布

オリジナルの生地について

-オリジナルの生地について-

「企画・提案」
はく
「織物の意匠設計及び織布」
村上幾郎/Ikuo Murakami
北海道出身 多摩美術大学卒
兵庫県西脇市にて織物にたずさわる。
デザインや図案はもとより、組織図の設計から構成、織機の扱いにいたるまで織布工程のすべてをこなす。
布の骨董ともよばれる古裂・古布など歴史的側面からの造詣も深い。

生産協力:岡治織物