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北欧と日本 ③

みんなで一緒に使う部屋
誰の好みで決めますか?
色も 明るさも
みんなで決めれるといいですよね

みんなで一緒に使う部屋
誰の好みで決めますか?
色も 明るさも
みんなで決めれるといいですよね

雪のような白
炎のような橙
正反対の二つ

照明のあかりと言えば思い浮かぶ色はおおむね2色ではないでしょうか。昼白色と言われる白っぽい光と、電球色と言われるオレンジ色の光。

北欧圏の暮らしを想像すると、圧倒的に電球色のイメージがあると思います。お部屋はもちろん、夜の街にもオレンジ色のあかりが灯っている風景を想像できますよね。北欧というと、ご存知の通り大変寒いお国柄。実はこの気温とあかりの文化にも関係性があるのです。

もともと炎があかりとして使われていたように、「オレンジの光は温かさ」。そして「白さと寒さ」にはお互いに想起させるものがあります。事実、暖色系のインテリア下では体感温度が3度も上がるという研究から、その親和性は広く知られております。
つまり、オレンジ色の光を用いる理由の中には、寒さの厳しい土地で効率的に暖を取るという、北欧ならではの知恵も含まれているのです。寄り添うように、触れられる距離まで照明を下ろすのは、そのやさしい温もりをより近くで感じるためでもあるでしょう。

ところで、わたしたち日本人はというと「白い方が好き」という方がかなりおられます。オレンジよりも明るく感じる白い光。
これが日本人が明るさを好むと言われる理由の一つ。この説明をする際によく蛍光灯の到来、そしてそれを受け入れた時代の話が少しネガティブに挙げられることがあります。

詳細はここでは置いておいて、もし体質に合わないとすればここまで定着してはいないでしょう。白い光を好むという話になる度に、まるで先人の消えない過ちのような言い方になるのは、同じ日本人としてはたいへん悲しいことだと個人的には思っています。
オレンジの光が好きという理由と同じように、白い光を好きな理由が「気持ちいい」「心地いい」ではダメなのでしょうか。

一年を通して天気が良く、どちらかというと夏を基準に考える方が良いとされる日本の暮らし。北欧とは根本的に違うこのような環境で、住居そして照明に対して同じ考え方を用いることはできません。たとえば東北など寒さの厳しい土地で、北欧同様に暖を取る熱源としてのオレンジが身近にある場合は別ですが、実は電球色の方が苦手という方が少なくないのはこういった育った環境が影響しているからです。

また人工的な色と呼ばれたのももうずいぶん昔の話。現在では技術が発達し、LEDの発する光の色は極めて太陽光に近い再現率。使う場所や時間にもよりますが、北欧のあかりこそ至上と思うあまり、それ以外の主張や好みを間違ったもの、分かっていない行為だと評価するのはいささか早計なことだと思います。

この光色の話はご家庭内でも意見が分かれることもしばしばですが、調色できるシステムや電球が開発されている今では、そんなに気に病むことでもありません。好みはもちろん、状況や時間、そして人間の身体リズムに合わせて光の色を使い分けられる時代になりました。そういう機能こそ、あかりの魅力を何倍にも膨れ上がらせるものだと考え、わたしたちとしても調色できる電球のご使用をお勧めしています。
ぜひこちらをご参考ください