おすすめの電球とその考え方
わたしたちがお勧めしているのは、こちらのフィリップス「Hue」というスマートLED電球です。
照明の仕事をしていると必ず聞かれるのが光の色について。
「北欧と日本③」の記事でも日本人は白い光が好きな傾向が強いと書きましたが、一方では電球色こそ落ち着くあかりと思う方も多くおられます。電球色は単純に炎や白熱電球などアナログな光を連想するからということもありますが、同時にLEDが登場した際の白色の人工的な色味がダメだったという経験をなさった方もおられます。
照明器具の中でも「電球」を使う器具の場合、購入時にその色も決めてしまわないといけない事もあり、同じ空間で暮らす家族間で意見が違えば、どちらかが折れるということが常でした。しかし、技術の進歩に伴い、その懸念もなくなりました。これからは、好みはもちろん、時間やシーンに合わせて色や明るさを簡単に調整できることが照明の標準であり、本当に快適な暮らしを送るために欠かせない機能になるでしょう。
こちらのスマートLED電球は白〜オレンジのグラデーション変化(無段階の調色)が可能で、しかもスマホアプリもしくは別売りのリモコンで操作が可能。さらに、同時に数個まとめて操作したり、お気に入りの色、光らせる箇所などシーンを設定しておくだけで、一括操作が出来ます。
「照明器具は本来は夜のくつろぐ時間に使うものだから、オレンジの電球色が正解。」という主張があります。いえいえ、日中にも照明が必要な屋内はたくさんございます。日光が入らない、窓がない、カーテンを開けたくない、開けられない。
見落としがちなのは、オレンジの光を選んだら日中なのにオレンジの光の下で過ごさなければいけないということ。夜に白い光で過ごすこと同様、こちらの不自然もあります。日中や日の長くなった明るい時間にオレンジ色の玄関灯がついていると、とても違和感を感じませんか?
もしくは、その場所で正確な色を認識する必要はないでしょうか?食材の色、服の色、肌の色。絵を描いたり、縫い物をしたり、スマホやパソコンでの作業、資格や学校の勉強、そして自宅で仕事をする方だってたくさん増えました。
さまざまな理由があって、日中であってもなくても白い光を使う必要がある現在。縮小化していく住宅規模もさることながら、コロナによってわたしたちの家での過ごし方は変容し、空間の存在意義は多様化、多目的化しました。つまり、より多くの目的に合わせて対応できることが求められてる。そんな現代において、あかりの色が一択というのは不自由なことのように思えます。
好きなあかりがどんな色でどれくらいの明るさか。同じ屋根の下に住む人たちとは、主張し奪い合うのではなく、できれば伝えて理解し合い、歩み寄れるならそれにこしたことはないと思います。そして、そんなことが簡単にできる今なのです。
さあ、あなたの好きな人と好きなあかりを、お互いに体験してみましょう。